誕辰
本日めでたく18歳になった。と言うと、これに対して複数の友人から「二十進数か」と反問された。そのうち一人はグルジア語を解するため、もはやその数え方が染みついているらしい。彼らは高校同期である。
野暮はひとまずこれを論外に措くも、このあたりの年頃には何かが起こるものと見える。古人が二十八歳の時にいかなることを経験したか、漫ろに調べ得たことを記してみよう。暦法の問題もあるから固より目安に過ぎない。
林羅山:家康に随行して上洛
中江藤樹:私塾「藤樹書院」を開く
熊澤蕃山:岡山藩に再出仕
山崎闇斎:初めて闇斎と号す
松尾芭蕉:第一句集『貝おほひ』を上野天満宮に奉納
伊藤仁斎:病を得て隠遁
新井白石:木下順庵に入門
賀茂真淵:結婚
与謝蕪村:初めて蕪村と号す
本居宣長:医者として開業
大槻玄沢:長崎に留学
松平定信:老中に就任
頼山陽:廉塾塾頭となる
為永春水:式亭三馬に師事
安井息軒:飫肥藩侍読となる
山田方谷:陽明学と出会う
佐久間象山:私塾「象山書院」を開く
吉田松陰:野山獄に幽囚せらる
川田甕江:備中松山藩に出仕
三島中洲:松山藩藩校・有終館会頭となる
福沢諭吉:欧州より帰国
成島柳北:復職、騎兵頭となる
森鷗外:「舞姫」を発表。長男誕生。千朶山房へ転居。
二葉亭四迷:結婚
幸田露伴:結婚
夏目漱石:松山中学に赴任
齋藤緑雨:樋口一葉との交遊始まる
尾崎紅葉:「金色夜叉」連載開始
土井晩翠:第一詩集『天地有情』刊行
島崎藤村:長女誕生
上田敏:雑誌『芸文』創刊(鷗外主宰の廃刊雑誌を統合)
永井荷風:アメリカよりフランスへ渡る。帰国後『あめりか物語』刊行。
北原白秋:第一歌集『桐の花』刊行。結婚。
佐藤春夫:神経衰弱に陥る
小堀杏奴:長女誕生
三島由紀夫:『潮騒』の取材に赴く
ちなみにわたくしが生まれたのも父が二十八になる年であった。今年は荷風に倣ってフランスへ留学せんとし、半ば決定していたのであるが、疫病の蔓延により取りやめとなった。数年連続で御神籤の大吉を引き続けている故、これもまた神慮と考え、これから一年我が身を見舞う事どもを楽しみに待ち受けることとしよう。そして二十進数はquatre-vingtsまでお預けとしたい。
野暮はひとまずこれを論外に措くも、このあたりの年頃には何かが起こるものと見える。古人が二十八歳の時にいかなることを経験したか、漫ろに調べ得たことを記してみよう。暦法の問題もあるから固より目安に過ぎない。
林羅山:家康に随行して上洛
中江藤樹:私塾「藤樹書院」を開く
熊澤蕃山:岡山藩に再出仕
山崎闇斎:初めて闇斎と号す
松尾芭蕉:第一句集『貝おほひ』を上野天満宮に奉納
伊藤仁斎:病を得て隠遁
新井白石:木下順庵に入門
賀茂真淵:結婚
与謝蕪村:初めて蕪村と号す
本居宣長:医者として開業
大槻玄沢:長崎に留学
松平定信:老中に就任
頼山陽:廉塾塾頭となる
為永春水:式亭三馬に師事
安井息軒:飫肥藩侍読となる
山田方谷:陽明学と出会う
佐久間象山:私塾「象山書院」を開く
吉田松陰:野山獄に幽囚せらる
川田甕江:備中松山藩に出仕
三島中洲:松山藩藩校・有終館会頭となる
福沢諭吉:欧州より帰国
成島柳北:復職、騎兵頭となる
森鷗外:「舞姫」を発表。長男誕生。千朶山房へ転居。
二葉亭四迷:結婚
幸田露伴:結婚
夏目漱石:松山中学に赴任
齋藤緑雨:樋口一葉との交遊始まる
尾崎紅葉:「金色夜叉」連載開始
土井晩翠:第一詩集『天地有情』刊行
島崎藤村:長女誕生
上田敏:雑誌『芸文』創刊(鷗外主宰の廃刊雑誌を統合)
永井荷風:アメリカよりフランスへ渡る。帰国後『あめりか物語』刊行。
北原白秋:第一歌集『桐の花』刊行。結婚。
佐藤春夫:神経衰弱に陥る
小堀杏奴:長女誕生
三島由紀夫:『潮騒』の取材に赴く
ちなみにわたくしが生まれたのも父が二十八になる年であった。今年は荷風に倣ってフランスへ留学せんとし、半ば決定していたのであるが、疫病の蔓延により取りやめとなった。数年連続で御神籤の大吉を引き続けている故、これもまた神慮と考え、これから一年我が身を見舞う事どもを楽しみに待ち受けることとしよう。そして二十進数はquatre-vingtsまでお預けとしたい。
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